スポンサー契約締結への思い
有方からだ鍼灸院の「“できる”only one. 地域一・日本一・世界一.」、そして、大阪体育大学バレーボール部女子の「チームの価値を高めるために自分と向き合い個性を生かす集団であれ」を理念とする両者が連携いたします。
当院は、姫路市内(JR姫路駅から姫路城に向かって徒歩5分)に在ります。院長の有方大介(ありかただいすけ)は、バレーボール・Vリーグのチームトレーナーを歴任し、現在はシッティングバレーボール全日本女子トレーナーを務め、東京2020パラリンピックに帯同しています。他方、大阪体育大学バレーボール部女子は、リーグ優勝・西日本インカレ優勝・全日本インカレベスト4・皇后杯ファイナルラウンド進出などの輝かしい戦績を収め、1967年創部の伝統を誇ります。また、Vリーグチームに選手を複数名輩出しています。監督の長江晃生(ながえあきお)氏は、Vリーグ界初の大学院生プレーヤーとして活躍した元日本代表選手です。
両者はVリーグチーム在籍時のチームメイトであり、15年の時を経て再び集結し、共に歩を進めることになりました。
今回の締結に至った経緯についてご説明させて頂きます。当院は、長江監督の指導方針「社会で活躍する人材の育成(礼節を重んじ、文武両道を果たすことで個を高める。自己犠牲をいとわずチームに尽くす。)」に深く共感しています。試合に勝つためだけの強化策ではなく、部員が主体となってバレーボール教室を開催し、中高生や合宿遠征先の小学生に指導するといった多様な経験から“気づき”を提供されています。
また、当院が学生アスリートサポートの新たな形を模索していたことも理由に挙げられます。極小鍼灸院を運営するにあたり、学生アスリートサポートの限界を強く感じていました。学生アスリートに来院してもらうか、もしくはこちらから現場に出向くか、いずれにしても対象者が限局される上、通院するための費用負担と時間確保の点から週1回・1時間程度の関わりが基本となります。これでは本質的なサポートにはならないと歯がゆさを感じていまいた。学生アスリートは活動期間が定められています。その有期の中で、大切な仲間と存分に素敵な思い出を作るためには怪我や故障で全力プレーができないことや長期離脱があってはなりません。輝かしい最高の時間を過ごすためには、やり切ったという充足感と達成感が必要であると考えます。
コメディカル業界の院として数多くのアスリートをサポートしようとした場合、既存の発想では、立地を対象となる学校・チームに近い場所にすること(あること)、頻回に来院してもらうために費用サービスをすること、多店舗を設けて施術スタッフを増員すること、そして、前述したようにこちらから現場に出向くことが主となります。いずれにおいても直接的な関わりに留まります。既成概念や固定観念にとらわれない新たな仕組みとしてのこのたびの締結は、その懸念事項を間接的な関わりで解消することができ、学生アスリートのコンディションとパフォーマンス両面の向上、及び障害予防の一助となることに期待を寄せます。加えて、学生アスリートへの支援のあり方、付加的な環境を提供するロールモデルとなることができれば嬉しく思います。
これらのすべては、「プレーヤーズセンタード」の考えに基づいています。プレーヤーズセンタードとは、プレーヤーを中心に配置し、監督やコーチ、マネージャー、保護者、ドクター、トレーナー、そしてスポンサードする人などがその周りに位置して支えます。プレーヤーズファーストとは異なり、プレーヤーのみならず、関わるすべての人・アントラージュが幸福になるという考え方です。(アントラージュとは、取り巻き・環境を意味します。)また、中心にいたプレーヤーが次のアントラージュとなればポジティブスパイラルの好循環が創出されます。当院の一歩はとても小さなものではありますが、スポーツを通じて社会貢献することに今後も邁進いたします。
以下、長江監督の考え・理念を記します。バレーボールは自己犠牲のスポーツです。ボールを「拾う」「上げる」「打つ」という瞬時に変化する状況の中で、「自分の役割を最大限に果たして次の選手につなぐ」という献身的な姿勢が求められます。選手一人ひとりが自分と向き合い、長所・短所を知ったうえで、その個性を活かしてチームに貢献することが大切です。チームの価値とは、勝つための努力を苦労と思わず練習に取り組むこと、挨拶や礼儀を大切に他人と接すること、学業や私生活での規律を遵守することといった姿勢を全員が育み、優勝を目指す過程の中でそれらを高めていくことで磨かれるものだと考えます。そしてその経験は、将来の自分の人生を輝かせる財産として蓄積されていくはずです。バレーボールという、自分が愛する競技に全力で取り組む4年間を通じて、社会でよりよく生きるための力を養ってもらいたいと願っています。
スポンサー募集の経緯は、バレーボールの競技人口は世界でもっとも多く約5億人(日本バレーボール協会より)、日本国内でのバレーボール競技人口は42万人です(本格的に競技を行なっている人)。現在は女子高校生の大学への進学率が高くなっており、大学バレーボールの大会ではVリーグに見劣りしないゲームが繰り広げられています。しかし、大学バレーボール部の多くは、自分でユニフォームやジャージ、遠征費や合宿代の費用を支払っています。親からの仕送りやアルバイト代だけでは賄えず、競技力が高い学生が経済的な理由でクラブを辞めてしまうことも少なくありません。大会に関しても、必要最低限の資金で運営をしているため学生や関係者がボランティアでサポートをしている状況です。観客層についても在校生や卒業生、親族がほとんどであります。まずは、大学女子バレーボールが「観るスポーツとしての価値」が高いことを社会で認知してもらう必要があります。その第一歩がスポンサー契約と考えています。スポンサー収益をクラブの活動費に充てることで、競技を続ける学生を増やし、応援して頂いているという意識を持つことでパフォーマンスの向上にも繋げてもらいたいと考えています。
最後に、日本におけるコメディカル業界の極小鍼灸院が大学クラブとスポンサー契約を締結することは、他に類例のないほど稀な事例となります。また、創部55年の歴史を誇る大阪体育大学バレーボール部女子において、初のスポンサー契約となります。
背番号には「24時間いつも繋がり・支え・共に戦う」という意味が込められています。
【有方からだ鍼灸院は、大阪体育大学バレーボール部女子を応援しています。】
2022年01月04日 23:08